株式会社川﨑構造設計 便り

福岡市南区の構造設計一級建築士事務所のブログです。

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9/6 伝統木構造設計法報告会の報告

今回のブログは、スタッフ中島からの報告です。↓

9/6(土)、「石場建てを含む伝統的木造建築物の設計法」の報告会が、高宮アミカスにて行われました。
講師の川﨑は22年度にこの検討委員会に参加し、設計法の作成に実務者の立場から携わってきました。

そもそもこの設計法作成のきっかけとなったのは、平成17年に起こった姉歯事件をうけ、平成19年に運用厳格化として建築基準法が改正されたことによります。それまでは平成12年の限界耐力計算の導入により、伝統木構造が建てられると脚光を浴びていましたが、この厳格化にともない、限界耐力計算に適合性判定の審査が必要となりました。
その審査では多大な時間と労力を要し、審査できる審査官も少ないことなどから、伝統木構造の着工数は激減してしまいました。

このような状況に、実務者から伝統木構造設計法の法制化を望む声が高まり、2008年度より国交省の補助事業として検討委員会が設けられ、
2012年度まで作成が行われてきました。
その設計法案がようやく形になり、昨年3月に国交省に提出されたところです。

今回はこの設計法案の中でも実務者の注目が高い標準設計法を中心に説明が行われました。
設計法は以下の3種類に分かれます。

・標準設計法
・詳細設計法
・汎用設計法

対象は、「丸太や製材した木材を使用し木組みを生かした継手・仕口によって組み上げた軸組み工法」としています。

 標準設計法では、"2階建以下、延べ面積500㎡以下、高さ13m軒高9m以下の住宅"と、いわゆる4号建物規模を対象とし、いくつかの簡易計算と仕様規定によって構成されています。

 ●簡易計算(代表例)
  ①せん断耐力の計算(単純加算)
  ②偏心率の計算
  ③地震力・風圧力の計算

 ●仕様規定(代表例)
  ①柱脚仕様A,B,Cの選択
     (A:完全固定、B:水平のみ固定、C:完全フリー)
  ②水平構面(屋根:野地板15mm、床:床板30mm)
  ③柱サイズ(135□又は120□以上)
  ④礎石(角石又は板石、びしゃんたたき仕上げ)
  ⑤ベタ基礎とし、一体の鉄筋コンクリートとする

安全限界時の層間変形角1/20を許容し、石場建てフリーも可能となり、
適合性判定も対象外となるなど、実務者としては期待がもてる設計法案となっているのではないでしょうか。

 検討委員会ではさらなる実験・検証と、同時に国交省との協議も重ねており、一刻も早い法制化が望まれます。

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