株式会社川﨑構造設計 便り

福岡市南区の構造設計一級建築士事務所のブログです。


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当社出版の「在来軸組工法住宅の設計手法」購入の皆様へ

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書いていますが、ホームページ管理者が現在長期休暇中となって
新規情報発信開始が遅れています。再活動は来年1月頃になるかと思います。
今しばらくお待ち下さい。

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地震災害による構造関係規定の変遷について(鉄筋コンクリート造)

こんにちは。スタッフの福島です。

地震災害による構造関係規定の変遷について、鉄筋コンクリート造のみに焦点を絞り、簡単にまとめました。
以下の3つが主な地震災害による改正や制定になります。

①1968年 十勝沖地震 最大震度5
 壁のほとんど無い桁行の短柱に著しいせん断破壊が生じた。
 ※短柱とは、腰壁・垂れ壁により内法高/柱幅<2.5程度になるもの
 突出煙突・ペントハウス被害
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 1971
年 建築基準法・RC規準改正
 帯筋間隔がきびしくなる。30㎝以内→15㎝以内
 せん断設計の方法の強化

②1978年 宮城県沖地震 最大震度5
 大被害建物の多くが、偏心(剛心と重心のずれ)による
 ねじれ振動が影響している。
 ピロティ建物の被害、1階の崩壊
 
    ☟
 1981年 建築基準法改正
 帯筋比0.2%以上になる。
 偏心率・剛性率の規定追加
 保有水平耐力計算の規定追加

③1995年 兵庫県南部地震(阪神・淡路大震災)最大震度7
 
ピロティ建物の被害
 偏心によるねじれ崩壊
 帯筋の少ない短柱の脆性破壊
 中間層の崩壊

    ☟

 1995年 建築物の耐震改修の促進に関する法律制定
 1981531日以前の特定用途で大規模な建物の耐震診断の
 努力義務化



 1968年十勝沖地震、1978年の宮城沖地震では、最大震度5で大破している建物がありますが、最大震度については、あくまでも目安ですので、実際に建物が受ける地震力とは異なります。建物が受ける地震力は、その建物下部の地震から生じる表層地盤による地表面加速度、建物の応答加速度や継続時間、建物と地盤との動的相互作用などによって変わります。
 昔の震度は観測員(気象台の職員など)が、自身の体感、建物の被害状況を、指針にある階級表に当てはめて、観測員の主観により震度が決定されていました。震度計による計器観測を開始したのが1988年であるため、それ以前の震度は客観性が無く精度が低いようです。
 1978年の宮城沖地震、1995年の兵庫県南部地震でも1971年の改正前の建物で、柱のせん断破壊がおきており、下のグラフ(建築年代と被害建物の関係(鉄筋コンクリート造))を見ても1971年以前の建物に倒壊・大破が多いのがわかります。1971年以前の建物は帯筋間隔が30㎝以下という規定であった為、柱がせん破壊しやすい建物になっています。
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 図1 建築年代と被害建物の関係(鉄筋コンクリート造)

(日本建築学会 わが家の耐震 -RC造編-より、原典は建設省:平成7年度阪神・淡路大震災建築災害委員会)


 公共の建物や特定用途で大規模な建物は、2005年の耐震改修促進法改正による地方自治体の数値目標を盛り込んだ計画作成の義務化や2015年の耐震改修促進法改正による耐震診断の義務化などで耐震補強が進んでいます。
 耐震診断・耐震補強は、民間の特定用途でない1971年以前の建物で、壁量が少なく短柱がある建物もしくは、ピロティがある建物についても早急に補強が必要であると考えています。

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